類天疱瘡は、高齢者に多い病気で、自己免疫が関与しているため治療には主にステロイドが用いられる。日本全国で7000~8000人ほどと推定される。
原因
表皮と真皮の間の基底膜に存在するタンパク質に対する自己抗体が産生され、皮膚が脆弱になることで、日常での些細な外力が原因となり、水ぶくれなどを起こすようになる。
症状
体幹や上下肢を含む全身に水疱が多数形成され、水疱は緊満感が強く、中に液体成分が充満している。
水疱が破れてびらんを形成したり、かゆみや紅斑が現れたりすることもある。
皮膚以外にも口腔粘膜や性器などの粘膜に病変が現れることがある。
検査・診断
血液検査や病理検査が行われ、血液検査では血中の自己抗体を検出する。病理検査では皮膚を採取して、顕微鏡によって病変部位を詳細に確認する。
治療
主にステロイド。ステロイドの使用方法は重症度によって異なり、状況に応じて外用薬や内服薬が選択される。ステロイドの内服前に、テトラサイクリンとニコンチン酸アミドを併用内服することもある。
類天疱瘡の皮膚症状は、皮膚に外力が加わることで悪化するため、ベルトなどで締めつけすぎない、皮膚をかかないなど、日常生活で注意をはらうことも大切である。