脳は周術期に保護すべき最も重要jな臓器であるとともに、酸素消費量の多い臓器であり、酸素供給が途絶すれば、不可逆的な障害が生じる。
A脳血流と調節因子について
脳灌流圧
脳灌流圧が上昇すると脳血流は増加するが、脳灌流圧がある一定の範囲に収まっている場合は、脳血流は一定に保たれる(自動調節能)。
しかしこの範囲を逸脱した場合はこの限りではないため、注意が必要である。
慢性的に高血圧の患者は、自動調節曲線が右方に移動するため、血圧が正常でも脳血流量が減少する。そのため、麻酔中の脳灌流圧の目標値は高めに設定する必要がある。
B脳血流と麻酔
一般的に、吸入麻酔薬は脳血流量が増加し、静脈麻酔薬は減少する。
脳波
✅脳波は頭皮上に設置された2つの電極間に存在する数多くの脳細胞の電気活動をその和としてとらえたものである。
✅脳波は麻酔薬濃度に鋭敏に反応して変化する。このことを利用して麻酔薬の効果を見るための脳波モニターが普及している。
BISモニター
平坦な脳波の場合:0
最も覚醒している状態:100
覚醒:80以上
浅い鎮静:60〜80以上
手術に適した麻酔レベル:40〜60
深麻酔:40未満