CLUB馬券@オッズ理論から算出した統計学3連単投資

医学知識も投稿するかもしれません

競馬をしながら時には麻酔をかけたり、時には救急で働いたり自由気ままに生きています。 統計学とExcelを駆使し過去8年の平均年間収支780万。勝ち組に入るには期待値の高い穴馬を見つけることが1番重要。30万円以上の大穴狙いで、推奨できる大穴軸馬(8番人気以降から2頭選定)を公開します。 救急や手術・麻酔の医学知識もつぶやきます。
 

代謝の生理学と体温管理

 

体温低下の予防
第1相:熱の再分布による核心温の急激な低下(再分布性低体温)

1.術前からの温風式加温装置による加温(プレウォーミング)

・手術ベッドの加温(43℃以上の設定で入室前に15分以上)

・麻酔導入後までの積極的な加温(15分以上)

2.室温を25℃以上に調整

末梢と中枢の温度較差を少なくしておくことで、熱の再分布を防ぐ

第2相:体表から外部への熱放散による体温の低下

1.患者プライバシーの観点からも麻酔導入後の身体露出は最小限に

2.術中も温風式加温装置による加温
 (麻酔導入・体位固定後は速やかに
  加温を開始する)

3.輸液・輸血は加温したものを使用

4.洗浄・灌流液は加温したものを使用

第3相:体温調節が出現して体温低下が抑制される

1.手術終了前に室温を25℃以上に調整

2.手術終了後、身体露出は最小限にし、温風式加温装置による加温を継続

3.術後ベッドに移乗後は電気毛布による加温

シバリングの治療

1.α2受容体アゴニスト(デクスメデトミジン)の投与

2.オピオイド受容体アゴニスト(フェンタニル、ペチジン)の投与

3.マグネシウムの投与

4.ドキサプラム(ドプラム)の投与

5.術前からのアミノ酸輸液の投与

6.フィジオもシバリング予防にはいい
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そもそも。。

生体のエネルギー
エネルギーを補給できる食物は炭水化物(4kcal/g)、脂肪(9kcal/g)、タンパク質・アミノ酸(4kcal/g)に分けられる。
麻酔中のエネルギーとしては、低血糖予防のためのブドウ糖の補給、体温の維持・上昇に有利なアミノ酸輸液が知られている。

ヒトの体温はどのように調節されているの?

体温調節ホメオスタシス

なぜ手術中は体温を測定しないといけないの?

麻酔の体温への影響

すなわち、麻酔により体温調節中枢の反応がにぶくなり体温調節が上手くできなくなる

閾値間域をもう少し具体的に・・・

1.行動性体温調節:意識がないためできない
2.自律性体温調節:筋弛緩薬の使用によって熱産生(シバリング)が起こらない
 →麻酔薬により体温閾値が拡大し、体性体温調節が行われなくなる
すなわち、麻酔中は周囲の温度の影響を受けやすい状態(変温動物状態)になる

麻酔中は絶対に体温は下がり、下がり続けると身体に様々な悪影響を及ぼす(悪性高熱は除く)

なので体温測定を行い、モニタリングする必要がある

なぜ麻酔中は体温が下がるの?

麻酔中の体温の推移

体温が低下する理由
第1相:熱の再分布による核心温の急激な低下(再分布性低体温)
麻酔によって交感神経系が抑制され末梢血管が拡張されること
によって、中枢の熱が末梢に移動し核心温が低下する

第2相:体表から外部への熱放散による体温の低下
麻酔中の熱変動は大きく分けて4つ
①伝導(手術台、消毒液、輸血、輸液、炭酸ガスなどとの接触)
②放散(大気中に熱が伝達)
③対流(空気の流れによる皮膚温度の低下)
④蒸散(呼吸、開腹・開胸などにより水分が気化)

第3相:体温調節が出現して体温低下が抑制される
ここまで体温が下がってしまうと、体温調節が出現したとしても、復温までにはかなりの時間を要してしまいます(末梢血管の収縮により血流は低下し、熱を中枢に戻しにくくなっているため)。

 →真冬の外を出歩いた時、手足の先が冷え切ってしまい、カイロなどで温めてもなかなか症状が改善しないのと同様の状態であると考えると分かりやすい。

こうなる前に、低体温にならないように体温調節を行うことが非常に重要

中枢温のセットポイントをもう少し具体的に

手術侵襲の影響により、術後は術前の体温よりも高めにセットポイントが置かれていることがほとんど。

 →風邪にかかった時、マクロファージなどを活発化させるために熱があがるが、その時とても寒くなったりふるえがでる。これは、体温のセットポイントが高めに設定されているため、熱をあげようとしてそのようなことが起きており、術後もこの状態とほぼ同様のことが起きている。

つまり、中枢温を正常値に保っていても十分な体温とはいえない

術後低体温による悪影響
・シバリングが起き、酸素消費量が増加する
・皮膚の緊張で疼痛が増加する
・薬物の代謝時間が延び、覚醒が遅延する
・凝固能が低下して出血傾向となる
・末梢が収縮しSSIが増加する
・術後飲水開始時期が延長する
・入院期間が延長する
・心臓への負担が増加する
様々な合併症が増加し患者・家族に多大な負担がかかる

悪性高熱症について

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まとめ
1.麻酔中は体温は絶対に低下する (脊椎麻酔も熱の再分布はおこる)

2.体温が低下する原因として熱の再分布と外部への熱の放散がある

3.体温の低下は様々な術後合併症を引き起こす

4.予防対策では温風式加温装置の使用が最も効果的である(特にPre-Warming)

5.第1層(熱の再分布)・第2層(外部への熱の放散)への介入が非常に重要
 (麻酔導入前の加温、麻酔導入・体位固定後の速やかな加温の開始)