PONVの危険因子
患者危険因子:女性、非喫煙者、乗り物酔い・PONVの既往、術後オピオイドの使用
手術危険因子:腹腔鏡手術、婦人科手術
患者危険因子のうち4つあれば79%、3つでは61%、2つでは39%、一つでは21%、全くない場合は10%にPONVが発生する。
術後悪心・嘔吐(PONV)は経口摂取促進のうえで大きな障害となるため、制吐薬の予防薬投与を積極的に行う。制吐薬は、日本ではアタラックス、ドンペリドン1.25mg・メトクロプラミド20mgに限られていたが、2021年8月よりセロトニン選択的受容体拮抗薬であるオンダンセトロンも保険適応となった。そして、術中・術後のオピオイドの使用は可能な限り避けること、交感神経遮断により腸管運動を促進するという点でも、硬膜外麻酔は有用である。
また、酸素投与を怠ったり過少輸液により助長されることもあるので注意する。