A筋弛緩薬
1.非脱分極性筋弛緩薬
骨格筋神経接合部のニコチン性ACh受容体に対するAChの結合を競合的に妨げることによって、AChの神経伝達を阻害・遮断し、筋弛緩作用を示す
aロクロニウム 25mg 50mg
・発現時間は1〜1.5分で、作用持続時間は20〜94分(用量依存的)
・消失経路は、胆汁が50%、尿が30%
・副作用で多いのが、ショック、アナフィラキシー様症状、横紋筋融解症、気管支痙攣など
・重症筋無力症および筋無力症の患者では、筋弛緩作用が増強および遷延しやすい
bベクロニウム 4mg 10mg
・発現時間は2分で、作用持続時間は30〜40分(用量依存的)
・消失経路は、胆汁が40〜50%、尿が30%
2.脱分極性筋弛緩薬
アセチルコリン(ACh)エステラーゼで分解されず、骨格筋神経接合部のニコチン性ACh受容体に結合し、ACh受容体の持続的な脱分極を起こす
スキサメトニウム 40mg 100mg 200mg
・効果発現時間は1分以内、作用持続時間は5分前後
・血漿のAChエステラーゼにより加水分解される
・副作用は血清カリウム高値、心室性期外収縮、不整脈、眼内圧・胃内圧の上昇、麻酔後筋肉痛、悪性高熱症など
・適応は緊急気道確保時に限定される
・筋弛緩作用発現前に、一過性の非生理的な筋収縮がある
・冷所保存である
B筋弛緩薬に対する拮抗薬
2種類あり、
①非脱分極性筋弛緩薬と選択的に直接包接し、筋弛緩作用を不活化させる
②AChエステラーぜと結合し、AChの分解を抑制することで、間接的にAChの作用を増強させる
1.スガマデクス 200mg 500mg
・ロクロニウムの挿管用量投与直後に、緊急的に筋弛緩状態からの回復を必要とする場合、ロクロニウム投与3分後を目安に16mg/kgを静脈内投与する
・尿中排泄が95%以上
・主な副作用はアナフィラキシー
・自発呼吸が回復するまで、必ず調節呼吸を行うこと
2.ネオスチグミン・アトロピン合剤 3ml(ネオスチグミン1mg+アトロピン0.5mg) or 6ml
・ネオスチグミンによる副作用を軽減させる目的でアトロピンを併用しているが、3分間かけて投与することで最も心拍数の変動が少ない
・自発呼吸の発現確認後に行う
C各種筋弛緩薬・拮抗薬の投与量の目安
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