高齢者のせん妄
高齢者の10〜40%は入院中にせん妄をきたす
せん妄とは見当識(場所や時間の認識)や覚醒レベルに異常が生じ、幻覚・妄想などにとらわれ興奮、錯乱、活動性の低下といった情緒や気分の異常が引き起こされる精神障害
錯乱状態による転倒・点滴の自己抜去などさまざまなトラブルを招く
特に神経や脳に異常をきたす病気の既往がある場合は、普段と異なる状況が刺激となって突然発症することがある
また、環境的な変化によるストレスもひとつの要因となり、ICU入院や術後せん妄なども発症する
鎮静剤や医療用麻薬、抗うつ薬などの副作用としてせん妄が生じることもある
転倒の危険因子である認知機能・歩行・視力・聴力障害の有無、転倒の既往、薬剤内服状況、睡眠障害などの評価は非常に重要
多職種で高齢者も総合機能を評価していき、リスクを回避していく
見当識を保つ声かけ、時計を置く、メガネ、補聴器をつける、部屋移動を少なくするなどアプローチを意識する