熱性けいれん・てんかん
熱性けいれんは主に6〜60ヶ月までの乳幼児期に起こる
症状は38℃以上の発熱とけいれんで、中枢神経感染症、代謝異常などの原因が見られず、てんかんが除外されるものと定義される
約10%の乳幼児に発症し、再発率は約15%
複雑型けいれんの場合は5%前後でてんかんを発症する
下記3点のうち1項目でも当てはまれば複雑型けいれんと診断し、脳波などの検査も考慮する
①焦点性発作の要素
②15分以上持続する発作
③24時間以内に複数回反復する発作
単純性けいれんは基本的には良性疾患であることを家族が理解し、過度な不安が生じないように説明することが重要
けいれんの診察
熱の有無、年齢、発作型、発作後の様子を観察する
けいれん中は呼吸・循環動態が不安定になりやすいため、全身を慎重に評価する
必要に応じ気道確保・酸素投与を開始する
けいれんの原因(感染症など)を確認・必要に応じ検査し、初発の場合は家族の動揺も大きいため、不安の除去を
下記4点のうち1項目でも当てはまれば、けいれんの再発率は30%になる
①両親の熱性けいれん歴
②1歳未満の発症
③短時間の発熱-発作間隔(1時間以内)
④発作時体温が39℃以下
けいれんの治療
けいれんの状況によりジアゼパム(ダイアップ)の投与、症状が持続する場合は、抗けいれん薬(バルプロ酸ナトリウム、フェノバルビタール)を投与する
解熱薬(アンヒバ)も必要に応じ投与するが、ダイアップとの併用に注意する
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血液検査、必要に応じ頭部CTをとり、意識障害もしくはCTでの異常所見がある場合、そして、抗けいれん薬を投与してもけいれんが止まらず、呼吸・循環動態が悪化する場合は、ただちに蘇生処置を行い、3次救急への搬送を考慮する
てんかん
大脳ニューロンの異常活動による一過性のてんかんを誘因なく繰り返す慢性疾患
発作が最低1回以上あり、繰り返す傾向が高く、神経生物的・認知的・心理的・社会的な問題があることである