急性冠症候群(ACS)
不安定狭心症、非ST上昇型心筋梗塞、ST上昇型心筋梗塞を総称した症候群
胸部不快感、呼吸困難、その他の疑わしい症状で診断を考慮する
大動脈解離、肺塞栓、食道破裂などと区別する
まずは12誘導心電図をし、最初のECGで診断できない場合は繰り返し施行する
心臓バイオマーカー(トロポニン)、電解質、ヘマトクリットやヘモグロビンを調べる
上昇型心筋梗塞ではPCIが第一選択であるが、2時間以内にできない場合、症状が12時間以内の場合、血栓溶解療法を考慮
非上昇型心筋梗塞では血栓溶解療法は有益ではない
救急カートの準備と継続的なモニター管理を行う
心室性不整脈があればACLSに沿って治療を開始し、植え込み型除細動器の適応を考慮する
アスピリンまたはバイアスピリンを噛むまたは内服する
末梢静脈路確保、酸素投与、鎮痛薬投与、可能なら心エコー
硝酸薬(ニトログリセリン)の舌下
血圧が上昇していれば、ニトログリセリンといった硝酸薬や、Ca拮抗薬、β遮断薬も考慮
血圧が安定していれば、血圧変動の少ないニコランジルも考慮
病院到着からPCIまで90分以内を目指す
PCI前に可及的速やかにアトルバスタチンを開始する
ACSでは、明らかに典型的な胸痛を訴える場合と、首が痛い、あごが痛い、歯がうずくというような非典型的な痛みを訴える場合がある