気胸
胸膜腔は閉鎖腔で、リンパ管の作用によって大気圧より陰圧に保たれている
胸膜腔の圧は-5cmH2Oであるが、吸気運動による胸郭の拡大によって-7.5まで低下し、この圧変化で約500mlの空気が入る
呼気時でも胸膜腔内は大気圧より低く、肺胞は絶えず広げる力を受けているため潰れることはない
気胸は胸壁の破綻が原因で空気が胸腔内に流入し肺が虚脱した状態
特発性自然気胸、続発性自然気胸、外傷による気胸、月経随伴性気胸がある
女性の気胸は、月経随伴性気胸もしくはリンパ管筋腫症の可能性も考える
軽度気胸:肺尖(肺の頂上)が鎖骨より上
→安静にし、レントゲンで経過観察(1〜3週間)
中等度気胸:肺尖が鎖骨より下にある
高度気胸:肺の虚脱が著しい
→入院にて胸腔ドレナージ
緊張性気胸:肺から空気が漏れ続け胸腔内が陽圧になっている状態
肺静脈が圧迫され血圧が低下することでショックを起こす
→早急にドレナージが必要で、胸に針を刺し陽圧の解除を行うこともある