膀胱炎と腎盂腎炎
膀胱に細菌が感染して起こる感染症が膀胱炎
膀胱に感染した細菌が、腎臓へ尿管から上行して起こる感染症が腎盂腎炎で、女性に多い(男性なら前立腺炎、精巣上体炎が加わる)。治療開始後熱も2〜3日は続く。
膀胱炎の症状は排尿時痛、頻尿、尿意切迫感、血尿、残尿感などがあるが、腎盂腎炎は全身性の感染症であるため、発熱、腰背部痛、悪心・嘔吐などが出現する
基本的には問診と尿検査でほぼ確定診断はつく
膀胱炎から腎盂腎炎に移行し、重篤な状態になる前に細菌をたたくことが重要
軽症であれば、3〜7日程度の抗菌薬の内服。ニューキノロンやケフラール、第三世代セフェムなど。しかし細菌はESBL産生大腸菌が散見されているため、その場合はカルバペネム系か、第二世代であるセフメタゾールも考慮する。
中等症も基本は抗菌薬の内服で、必要に応じ外来で第三世代セフェムの点滴加療。
重症では若年であっても入院での点滴加療が望ましい。ゾシンやメロペンなども考慮。
膀胱炎の予防指導として、水分をよく摂ること、便排泄後や排尿後は肛門から尿度に向かって拭かないように説明ことも重要。
女性は解剖学的に尿道が短いため、感染しやすいことを説明する。
なお、尿管結石などで物理的に尿路が閉塞している場合は、泌尿器科的処置も考慮する必要があるため、腎盂腎炎を疑った場合は積極的にCTも撮る