甲状腺クリーぜ
コントロール不良の甲状腺疾患に強いストレスが加わり
甲状腺ホルモン作用過剰に対する生体の代償機構の破綻により複数臓器が機能不全に陥った結果
生命の危機に陥る緊急治療を要する病態
主要症候は中枢神経症状、38°C以上の発熱、130回/分以上の 頻脈、心不全、消化器症状など
高齢者では、高熱、多動などの典型的なクリーゼ症状を呈さない
ショック、横紋筋融解症、播種性血管内凝固症候群(DIC)、多臓器不全を合併する
致死率は確実例と疑い例で変わらないので、疑いであっても治療を開始する
同時に専門医へのコンサルトも行う
治療は抗甲状腺薬(チアマゾール、プロピルチオウラシル)の投与
副腎不全に対しては副腎皮質ホルモン薬の投与
β遮断薬の投与
呼吸、循環の管理(重症例では人工心肺も考慮)
十分な補液と電解質の補正
身体冷却と解熱薬(アセトアミノフェン)
中枢神経症状に対し鎮静薬や抗痙攣薬の使用