小児の腸重積
6ヶ月以上6歳未満の男児に多く、乳幼児、特に1歳前後の発症が多い
ウイルス感染(いわゆる胃腸炎)により腸がむくむことで、腸の一部が隣接する腸内にはまり込む(腸管壁が重なった状態)のがおもな原因
回腸(小腸の末端)が大腸に入り込むために生じることが多いが、生まれつき腸管の一部が袋状に残った場合(メッケル憩室)にも起きることがある
また、6ヶ月未満ではロタウイルスの予防接種に関係して発症することもあるため、ワクチン接種歴は重要
24時間以上経過してしまうと腸が壊死してしまう恐れがあるため、緊急の対応が求められる
主な症状は腹痛(不機嫌)・嘔吐・血便
小さいお子さんは痛みを訴えることが難しいため、哺乳力・食欲の低下、ぐったりした様子はないか、機嫌不良・啼泣で痛みを表現することもある
腹部の腫瘤を触知することもあるが、
確定診断はおもにエコーを用いる
(Target Signと呼ばれる、弓の的に似た構造が見られる)
24時間以内であれば、造影剤を肛門から注入して圧を加えることにより整復が期待できるが、整復できなかった場合や発症からの経過が長い場合は、手術により整復、壊死している場合は腸切除の対象となる