CLUB馬券@オッズ理論から算出した統計学3連単投資

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手術室で使用する薬剤の投与量の目安

A.吸入麻酔薬
MAC-awakeの2倍の余裕をみて投与する

1.セボフルラン(セボフルレン)

導入:0.5〜5%
維持:1〜1.5%前後

2.デスフルラン(スープレン)

維持:4%前後 (3%で開始し、適宜調整)

3.イソフルラン(イソフルレン)

維持:4%以下

4.亜酸化窒素(笑気)

酸素と同時に50〜65%前後

B.静脈麻酔薬

1.プロポフォール(ディプリバン)200mg/20ml

導入:2〜2.5mg/kg (0.2〜0.25ml/kg)
(レミフェンタニル併用時は半分以下の量で可能)

※TCI機能(ディプリフューザー)を用いる場合

導入:3.0μg/ml
維持:2.0〜5.0μg/ml 適宜増減

2.チアミラール(イソゾール)500mg/20ml

入眠:3mg/kg (0.12ml/kg)
導入:5mg/kg (0.2ml/kg)
維持:3〜10mg/kg/h (0.12〜0.4ml/kg/h)

3.ミダゾラム(ドルミカム)10mg/2ml
※10mgを10mlに希釈する

導入:0.15〜0.3mg/kg (0.15〜0.3ml/kg)
維持:0.15〜0.3mg/kg/h (0.15〜0.3ml/kg/h)
局所麻酔時の鎮静:1〜2mg (1〜2ml)ずつ投与

4.ジアゼパム (セルシン)10mg/2ml
※10mgを10mlに希釈する

導入:0.2〜0.3mg/kg (0.2〜0.3ml/kg)
維持:0.2〜0.3mg/kg/h (0.2〜0.3ml/kg/h)
局所麻酔時の鎮静:1mg (1ml)ずつ投与
抗痙攣薬として:0.2mg/kg (0.2ml/kg)

疼痛閾値は低下しない
胎盤通過性があるため、胎児娩出前には使用しない

5.フルマゼニル (拮抗薬)0.5mg/5ml

0.2mg (2ml)で、4分後より追加1ml

6.デクスメデトミジン (プレセデックス)200μg/2ml
※200μgを50mlに希釈する

初回:6μg/kg/h (1.5ml/kg/h)
維持:0.2〜0.7μg/kg/h (0.05〜0.175ml/kg/h)

主にICU管理下での挿管中および抜管後における鎮静や非挿管での鎮静に使用

C.鎮痛薬

1.レミフェンタニル (アルチバ)2mg 5mg
・20ml or 50mlに希釈して使用する
・小児の適応はアルチバのみ

導入:0.5γ (ラリンゲルマスクの場合は0.2〜0.3γ)
・持続静脈内投与開始前に0.01ml/kgを30〜60秒かけて単回静注可能
維持:0.25γ前後で適宜調整
・2γ(小児は1.3γ)を超えない

2.フェンタニル 100μg/2ml 250μg/5ml

導入:2μg/kg (0.04ml/kg) (ラリンゲルマスクの場合は1μg/kg (0.02ml/kg))
維持(間欠投与):1〜2μg/kg (0.02〜0.04ml/kg) を30〜60分ごと
維持(持続投与):0.5〜5μg/kg/h (0.01〜0.1ml/kg/h)
脊椎麻酔投与時:5〜25μg (0.1〜0.5ml)をくも膜下腔に注入
 
術後疼痛管理
・epi時:
  ・強い疼痛が予測される場合、500〜1000μgを混注する
  ※痛みが大:13.3μg/h 痛みが中:10μg/h 痛みが小:6.6μg/hを目安に混注している

・IV-PCA時:
  ※痛みが大:35μg/h 痛みが中:30μg/h 痛みが小:25μg/hを目安に投与している

3.ソセゴン 15mg/1ml

・疼痛時は15〜30mg (1〜2ml)筋注

4.レペタン 0.2mg/1ml

・疼痛時は0.2〜0.3mg (1〜1.5ml)筋注
・心筋梗塞時は0.2mg (1ml)徐々に静注

5.ナロキソン 0.2mg/1ml 拮抗薬

・0.1mg (0.5ml)ずつ使用 (50kgの人で1mg (5ml)まで使用可)
・麻薬の拮抗には0.02〜0.04mg (0.1〜0.2ml)ずつ使用

6.ケタミン 50mg/5ml

導入:1〜2mg/kg (0.1〜0.2ml/kg)
追加投与:10〜30γ or 0.5mg/kg (0.05ml/kg)を15〜30分ごとに静注

D.筋弛緩薬・拮抗薬

1.ロクロニウム (エスラックス)50mg/5ml

導入:0.6mg/kg (0.06ml/kg)
・上限は0.9mg/kg (0.09ml/kg)
維持:00.1〜0.2mg/kg (0.01〜0.02ml/kg)を30〜60分ごと、もしくは7γで開始し適宜調整

2.ベクロニウム (マスキュラックス)4mg 10mg

導入:0.08〜0.1mg/kg
維持:0.02〜0.04mg/kgを30〜60分ごとに追加

3.スキサメトニウム(サクシン) 20mg/1ml 40mg/2ml

導入:1mg/kg (0.05ml/kg)
維持:0.5mg/kg (0.025ml/kg)

4.スガマデクス (ブリディオン) 200mg/2ml
・浅い筋弛緩状態:1回2mg/kg (0.02ml/kg)静注 (TOFカウント2以上出現)
・深い筋弛緩状態:1回4mg/kg (0.04ml/kg)静注 (TOFカウント1以下)
・緊急時:1回16mg/kg (0.16ml/kg)→ロクロニウム投与3分後に使用

5.ワゴスチグミン 0.5mg/1ml
・0.02〜0.05mg/kg (0.04〜0.1ml/kg)静注
・必ずアトロピン0.01〜0.02mg/kg (0.02〜0.04ml/kg)併用する

E.昇圧薬

1.エフェドリン (40mg/1ml)
・10mlに希釈 (4mg/ml)
4〜8mg (1〜2ml)ずつ静注

2.ネオシネジン (1mg/1ml)
・10mlに希釈 (0.1mg/ml)
・0.05〜0.2mg (0.5〜2ml)ずつ静注
・持続投与の場合:原液0.024×体重mlを生食で全量20mlに希釈し、0.1γ=1.0ml/hで投与

3.エホチール (10mg/1ml)
・10mlに希釈 (1mg/ml)
1〜2mg (1〜2ml)ずつ静注
・昇圧効果はエフェドリンより大きいが、持続はやや短い

4.イノバン注0.3%シリンジ (150mg/50ml)
・ドパミナジック作用:1〜3γ
・β作用:3〜10γ
・α作用:7γ〜

5.ドブトレックス (100mg/50ml)
・1〜20γ (α作用はほぼなし)

6.ボスミン (1mg/1ml)
・心停止の場合:0.5〜1ml静注
 →小児は10倍希釈し、1mlずつ
・アナフィラキシーショック:0.5ml筋注
 →小児は0.01ml/kg
・気管支喘息:0.3〜0.5ml皮下注
 →小児は0.01ml/kg
・異常低血圧:5Aを45mlの生食で希釈(5mg/50ml)し、0.01〜0.3γ

7.ノルアドレナリン (1mg/1ml)
・異常低血圧:5Aを45mlの生食で希釈(5mg/50ml)し、0.05〜0.3γ

F.脈拍をコントロールする薬

徐拍性不整脈に使用
1.アトロピン0.5mg/1ml
0.25〜0.5mg (0.5〜1ml)静注
1度房室ブロックやWenckebach型房室ブロックにも有効。

2.プロタノール0.2mg/1ml
・50mlに希釈して使用する
0.01〜0.05γで使用
・アダムスストークス症候群の発作時、術後の延心拍出量症候群などに使用

頻拍性不整脈(上室性)
1.オノアクト 50mg
・50mlに希釈して使用する
1γ〜
・心房細動、心房粗動、洞性頻拍などに使用

2.ブレビブロック 100mg/10ml
0.1ml/kgを心電図監視下に30秒間で投与
・心房細動、心房粗動、洞性頻拍などに使用

頻拍性不整脈(心室性)
1.キシロカイン静注用2% 100mg/5ml
0.5〜1Aを緩徐に静注
・期外収縮、発作性頻拍などに使用

G.降圧薬
1.ペルジピン 2mg/2ml 10mg/10ml
原液で0.5mlずつ
・点滴静注の場合は2〜10γで開始

2.ヘルベッサー 50mg
・2Aを50mlに希釈する(100mg/50ml)
3γ〜

3.ミリスロール 25mg/50ml
・心不全の場合:0.05〜0.1γで開始
・異常高血圧の場合:0.5γ〜開始
・不安定狭心症の場合:0.1〜0.2γで開始

4.シグマート (ニコランジル) 12mg
・48mgを48mlに希釈 (1mg/ml)
・不安定狭心症の場合:2ml/hで開始

5.プロスタンディン 500μg
・25mlに希釈 (0.1mg/5ml)
・異常高血圧の場合:0.1〜0.2γ開始
・臓器血流維持の場合:0.01〜0.02γで開始

6.ハンプ 1mg
・5Vを注射用水25mlと生食25mlで希釈 (5mg/50ml)
・レニン・アルドステロン分泌亢進抑制および心不全時に0.05〜0.2γで開始

局所麻酔薬

A局所麻酔薬とは

・痛みを遮断したい部位や範囲に応じて、硬膜外麻酔、脊髄くも膜下麻酔、末梢神経ブロック、局所浸潤麻酔、皮下麻酔などの方法で投与される薬物である
・エステル型とアミド型に分類され、エステル型は半減期が短く、アミド型は肝臓で代謝されるため半減期が長い
ロピバカインやレボブピバカインは心毒性の低い光学異性体のみの製剤である

B特性

脂溶性(高いほど作用時間が長い)、タンパク結合率(高いほど作用時間が長い)

C神経遮断作用

・細い神経ほど遮断されやすく、自律神経や冷覚・温覚が先に遮断され、次いで痛覚、そして触覚や深部知覚、運動神経が遮断される
・そのため、硬膜外麻酔、術後鎮痛、末梢神経ブロックなど、用途によって濃度を変え対応する必要がある

D副作用

・アレルギー反応と局所麻酔薬中毒

局所麻酔薬中毒
・投与された局所麻酔薬の血中濃度が上昇することで局所麻酔薬中毒の症状が現れる。
・症状は、口唇のしびれや耳鳴りなどの初期症状が出現し、不穏、痙攣、昏睡などの中枢神経毒性の症状、そして徐脈、低血圧、不整脈などの心血管系の症状が現れることが多い

・予防には、投与量を最小限にすることはもちろん、注入するごとに血管内投与の有無を確認すること、投与後は症状を十分に確認することである

局所麻酔薬中毒の対応
1.応援要請
2.ジアゼパムもしくはミダゾラム(1〜2ml)の静注
3.酸素投与しつつ人工呼吸
4.低血圧の場合、輸液負荷、各種昇圧薬の投与
5.脂肪乳剤(イントラリポス)の投与 1.5ml/kg静注し、15ml/kg/hで20分持続静注

筋弛緩薬・拮抗薬

A筋弛緩薬

1.非脱分極性筋弛緩薬
骨格筋神経接合部のニコチン性ACh受容体に対するAChの結合を競合的に妨げることによって、AChの神経伝達を阻害・遮断し、筋弛緩作用を示す


aロクロニウム 25mg 50mg
発現時間は1〜1.5分で、作用持続時間は20〜94分(用量依存的)
・消失経路は、胆汁が50%、尿が30%

・副作用で多いのが、ショック、アナフィラキシー様症状、横紋筋融解症、気管支痙攣など
・重症筋無力症および筋無力症の患者では、筋弛緩作用が増強および遷延しやすい

bベクロニウム 4mg 10mg
発現時間は2分で、作用持続時間は30〜40分(用量依存的)
・消失経路は、胆汁が40〜50%、尿が30%

2.脱分極性筋弛緩薬
アセチルコリン(ACh)エステラーゼで分解されず、骨格筋神経接合部のニコチン性ACh受容体に結合し、ACh受容体の持続的な脱分極を起こす

スキサメトニウム 40mg 100mg 200mg
効果発現時間は1分以内、作用持続時間は5分前後
・血漿のAChエステラーゼにより加水分解される
・副作用は血清カリウム高値、心室性期外収縮、不整脈、眼内圧・胃内圧の上昇、麻酔後筋肉痛、悪性高熱症など

適応は緊急気道確保時に限定される
・筋弛緩作用発現前に、一過性の非生理的な筋収縮がある
・冷所保存である

B筋弛緩薬に対する拮抗薬
2種類あり、
①非脱分極性筋弛緩薬と選択的に直接包接し、筋弛緩作用を不活化させる
②AChエステラーぜと結合し、AChの分解を抑制することで、間接的にAChの作用を増強させる

1.スガマデクス 200mg 500mg
・ロクロニウムの挿管用量投与直後に、緊急的に筋弛緩状態からの回復を必要とする場合、ロクロニウム投与3分後を目安に16mg/kgを静脈内投与する
・尿中排泄が95%以上
・主な副作用はアナフィラキシー
・自発呼吸が回復するまで、必ず調節呼吸を行うこと

2.ネオスチグミン・アトロピン合剤 3ml(ネオスチグミン1mg+アトロピン0.5mg) or 6ml
・ネオスチグミンによる副作用を軽減させる目的でアトロピンを併用しているが、3分間かけて投与することで最も心拍数の変動が少ない
・自発呼吸の発現確認後に行う

C各種筋弛緩薬・拮抗薬の投与量の目安
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鎮痛薬

Aオピオイド鎮痛薬・拮抗薬
・オピオイド受容体は、中枢神経、脊髄、末梢神経など体内に広く分布しており、μ(ミュー)、δ(デルタ)、κ(カッパ)の3種類がある
・それ以外にも様々な薬理作用がある(呼吸抑制作用、鎮咳作用、催吐作用、消化管運動抑制作用、胆道内圧の上昇、尿閉、縮瞳、掻痒など)
・おもに肝臓で代謝され、尿から体外へ排出される

1.レミフェンタニル
・μ(ミュー)オピオイド受容体に作用する
・添加物としてグリシンを含むため、硬膜外および脊髄くも膜下腔への投与は禁忌
・腎機能や肝機能の低下による薬物動態の影響はほとんどない
血中からの消失が速やかであるため、投与中止前に鎮痛薬を投与し、適切な術後疼痛管理を施行する必要がある
・高用量投与による術後のシバリングや痛覚過敏などの問題が指摘されている

2.フェンタニル
・μ(ミュー)オピオイド受容体に作用する
・手術時の麻酔だけでなく、癌性疼痛にも使用され、静脈内、硬膜外腔、くも膜下腔に投与される
・作用発現は迅速で、作用時間は30分〜1時間と短いが、反復投与によって蓄積していく

3.モルヒネ
・癌性疼痛や、激しい疼痛時における鎮痛、鎮咳、下痢症状の改善、手術後などの腸管蠕動運動の抑制に使用される
・剤系や投与経路が豊富である
・硬膜外投与においては、水溶性なので拡散しやすく、硬膜外の穿刺部位から離れた分節にも鎮痛効果が得られる一方、呼吸抑制を生じる可能性もある

4.トラマドール
・μ(ミュー)オピオイド受容体に作用する
・癌性痛や慢性痛に使用されるほか、注射薬のみ術後に適応がある

5.ペンタゾシン
・κ(カッパ)オピオイド受容体に作用する
心筋梗塞、胃・十二指腸潰瘍、腎・尿路結石、閉塞性動脈炎、胃・尿管・膀胱検査器具使用時における鎮痛、麻酔補助等で使用される
くも膜下麻酔投与後の掻痒に対する有効性があるが、術後悪心・嘔吐の発生頻度が高く、他の鎮痛薬と拮抗する可能性があることなどから使用が限られている

6.ブプレノルフィン
・γ(ガンマ)オピオイド受容体に作用する
癌性疼痛、心筋梗塞における鎮痛、慢性剤にも適応がある
・オピオイド受容体への親和性が高く、他のオピオイド鎮痛薬の受容体からの追い出し効果をもつ

7.ナロキソン
・オピオイド受容体において、オピオイドの作用を競合的に阻害することで、呼吸抑制を改善する
・オピオイドによっては、ナロキソンより作用時間が長いものがあるので、呼吸抑制の最初など注意が必要である

B非オピオイド鎮痛薬
・薬理学的に作用機序の異なる多様な薬物を組み合わせて使用することで、鎮痛効果の向上と副作用の軽減を目指す多角的疼痛管理(MMA)が重要である
・オピオイド鎮痛薬は強力な鎮痛効果をもつが、嘔気・嘔吐や食思不振、腸管蠕動運動抑制、過鎮静、呼吸抑制などの離床や機能回復を妨げる副作用が多いため、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やアセトアミノフェンなどのを併用することで、オピオイド鎮痛薬の使用量を最小限にすることが推奨される

1.NSAIDs
・プロスタグランジンを生成する酵素であるシクロオキシナーゼ(COX)を阻害することで消炎鎮痛作用を示す。
・手術操作の機械的刺激による侵害受容性痛や組織損傷部位における炎症性痛に有効である。
・COXにはCOX1とCOX2があり、COX1は胃粘膜の保護、血小板の凝集、腎血流維持に重要な役割を果たしているCOX2は炎症部位で誘導されて発現する。そのため、NSAIDsのCOX1阻害による副作用が問題となる。COX2選択的阻害薬は、消化管障害のリスクは少ないものの、心血管系の合併症が増加する。また、腸管手術においては、吻合部の抱合不全を増加させる可能性が報告されている
アスピリン喘息には禁忌である。

2.アセトアミノフェン
・作用機序は十分に解明されていない。NSAIDsと違い、解熱鎮痛薬である。
・末梢における消炎鎮痛作用は弱い。
・大部分は肝臓で不活化される。そのため、アルコール多飲患者や低栄養などグルタチオンが減少している患者では、肝障害に注意が必要である。


C各種鎮痛薬の投与量の目安
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静脈麻酔薬

Aプロポフォール
特徴
・脂溶性が高く水に溶けにくいため、脂肪乳剤となっている
GABA受容体とNMDA受容体に作用して鎮静作用を発揮する
肝臓で急速に代謝・不活化されることで良好に覚醒する

注意点
・ダイズ油や卵黄を含むため、大豆や卵黄にアレルギー歴がある場合は注意を要する
・ICUにおける人工呼吸中の鎮静に用いる場合、小児は禁忌(プロポフォール注入症候群:代謝性アシドーシス、横紋筋融解症、高カリウム血症、急性心不全を引き起こす可能性があるため)
・静脈内投与時に血管痛が起こりやすい(オピオイド、リドカインを前投薬として投与すると効果がある)

・導入は速やかで、数分以内に就眠する
・プロポフォールで導入したのち、吸入麻酔薬で維持する麻酔法が一般的
・術中の維持もプロポフォールで可能であり、意識消失、鎮痛、筋弛緩の全てを経静脈的に投与する薬で得る麻酔法をTIVA(全静脈麻酔)と呼ぶ

利点
PONV(術後悪心・嘔吐)の頻度が低い
悪性高熱症の既往やその疑い・素因のある患者は吸入麻酔薬が使用できないが、プロポフォールは使用できる

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Bチアミラール
特徴
GABA受容体に作用して鎮静作用を発揮する
・薬80%がアルブミンに結合する
・脂溶性が高く、投与後は中枢神経系に取り込まれ急速に入眠させ、体脂肪に再分布することで濃度が下がり覚醒する
血管痛がない

注意点
・強アルカリ性のため、血管外に漏れると組織壊死をきたすおそれがある
・急性間欠性ポルフィリン症、アジソン病、重症気管支喘息の患者には禁忌
・長時間投与で、再度脳に分布するため、麻酔維持には向かない

Cミダゾラム
特徴
・ベンゾジアゼピン系の代表薬剤であるジアゼパムは、代謝産物にも薬理活性があること、静注・筋注時の痛みが強いなどの欠点があり、水溶性のミダゾラムが標準使用になっている
ベンゾジアゼピン受容体とGABA受容体に作用して鎮静作用を発揮する
血圧低下が少ないため、ショック状態の患者の導入に使用しやすい
健忘作用もあるため、局所麻酔下での鎮静を得る際によく用いられる

注意点
静脈内に投与してから適切な鎮静効果が得られるまでの時間が比較的長いため、追加投与の判断は最初の投与から十分時間が経ってから行う
呼吸抑制・舌根沈下が強い
・投与後に患者が不穏、非協力的になることがある
・長時間投与により耐性ができる
・拮抗薬のフルマゼニルがあるが、持続時間はミダゾラムより短いため、覚醒後に再び鎮静作用が出現することがあるため注意する

Dデクスメデトミジン
特徴
・青斑核や脊髄が作用部位で、α2刺激作用を介して鎮静、鎮痛、交感神経抑制作用を発揮する
・他の鎮静薬と異なり、認知機能が維持されることが特徴である
・呼吸抑制が少ないため、気道確保されていない症例でも安全に使用することが可能であるが、徐脈、血圧低下などの副作用が高頻度に発現するので注意が必要

注意点
深い鎮静に適していない
・薬価が高い

各薬剤の投与量の目安
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※レミマゾラム(アネレム)
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ステロイド外用剤の強さと使い分け

ステロイド外用剤とは、身体に起きる炎症を抑える働きのあるステロイド(副腎皮質ホルモン)を化学的に合成したもので、抗炎症作用・抗アレルギー作用を局所で発揮させることができる、炎症性皮膚疾患の治療には欠かせない薬である

しかしステロイド外用剤には様々な種類があり、作用の強さも違う

ステロイド外用剤の強さ
ステロイド軟膏の強さは、弱い(ウィーク)、普通(ミディアム)、強い(ストロング)、とても強い(ベリーストロング)、最も強い(ストロンゲスト)の5段階に分類される

とても強いと最も強いは、特に皮膚の炎症が強い場合や、湿疹が慢性化していると判断した場合に使用するが、その使用は皮膚科専門医に委ねるほうがよく、救急での安易な処方は禁忌であるといえよう

ステロイド外用剤の使い分け
中学生以上なら「ストロング」ランクを、小児や乳児・新生児は「マイルド」や「ウィーク」ランクを使い分けることが重要
年齢に応じてステロイド外用剤のランクを下げる理由は、子どもでは、皮膚のバリア機能が未熟なために、大人に比べて薬剤が浸透しやすく薬効がより強く出るため

陰部や首から上など、皮膚が薄くデリケートな部位は、前腕の内側と比べ特にステロイド外用剤の吸収率が高くなるため、これらの部位にステロイド外用剤を使用するときは、ワンランク下の外用剤も考慮する

ステロイド外用剤の基本的な使い方
・ステロイド外用剤は、1日2回(朝、夕:入浴後)、患部に塗布する。湿疹やかゆみなどの炎症が治まった部位には使用しない。
薄く塗るのは、エビデンスのない塗り方であるため、厚すぎず適度に塗布する

使用上の注意点
・ステロイド外用剤を他の軟膏(保湿剤等)と併用してもよい(効果や副作用はかわらない)
・ステロイド外用剤は、皮膚の局所免疫を抑制するため、細菌やカビなどの感染症を引き起こしやすくなる
・ステロイドを塗ったから肌が黒くなるのではなく、湿疹を長く放置する、適切な強さの軟膏を塗らずにいつまでも消さずにいるなどにより色素沈着を生じることがある
・ステロイド外用剤を塗り続けることで効き目が悪くなってくることはない
・塗布した部分が毛深くなる現象は特に小児で経験されるが、塗布をやめれば戻る
・目の周囲にステロイド外用剤を塗り続けていると、眼圧が上昇し緑内障を発症するリスクがある
・ステロイド外用剤は妊婦にも使用できるが、ストロング以上を長期に使用することは避けた方がよい

薬の希釈方法

投与したい薬の濃度が決まっている場合

原液量 = トータル量 ÷ 希釈倍率
希釈量 = トータル量 – 原液量

※希釈倍率 = 原液の濃度 ÷ 希釈濃度

例1) 1%キシロカインを0.5%に希釈して20mlを静脈麻酔したい場合、

原液量 = 20 ÷ (1 ÷ 0.5)
    = 20 ÷ 2
    = 10ml

希釈量 = 20 – 10
    = 10ml 

例2) epiで、0.75%アナペインを0.2%に希釈して4ml/hでトータル300ml投与したい場合、

原液量 = 300 ÷ (0.75 ÷ 0.2)
    = 300 ÷ 3.75
    = 80ml

希釈量 = 300 – 80
    = 220ml

ちなみに、epiでは疼痛が強いと予測される場合は、フェンタニルを混合することもある。
(疼痛弱:6.6μg/h 中:10μg/h 強:13.3μg/h)

その場合の計算方法は、疼痛弱で考えると、

原液量 = 6.6 × 75時間(300 ÷ 4)
    = 500μg (495μgだが便宜上)
    = 10ml

※フェンタニル(100μg/2mlのため)

つまり、希釈量 = 220 – 10
        = 210ml



投与したい薬の量が決まっている場合

原液量 = 投与したい薬の量
希釈量 = トータル量 – 原液量

例) 1%キシロカイン10mlを30mlに希釈して静脈麻酔したい場合、

原液量 = 10ml

希釈量 = 30 – 10
    = 20ml


例2) IV-PCAでフェンタニルを30μg/3mlで、トータル120ml投与したい場合、
(疼痛弱:25μg/h 中:30μg/h 強:35μg/h)

原液量 = 30μg × 40時間(120 ÷ 3)
    = 1200μg
    = 24ml

※フェンタニル(100μg/2mlのため)

希釈量 = 120 – 24
    = 96ml 

吸入麻酔薬

A吸入麻酔薬の分類
2つに大別される
・ガス麻酔薬 (亜酸化窒素:笑気)
・揮発性麻酔薬 (イソフルラン、セボフルラン、デスフルランなど)

吸入により肺胞を経由して血液に溶解し、さらに中枢神経に作用することで麻酔作用を発揮する。

揮発性麻酔薬は通常室温において液体であり、気化器によって目的の濃度に気化させて吸入投与する。

B最小肺胞濃度と血液/ガス分配係数
1.最小肺胞濃度
最小肺胞濃度(MAC)は、皮膚切開を加えたときに50%のヒトで体動が認められない最小の吸入麻酔薬の肺胞濃度のことである。95%の対象に有効である濃度は1.3MACである。

MACが高い(大きい)ほど高い肺胞濃度が必要になり、MACの数値は麻酔管理をするうえで投与濃度を決定する指標となる。

臨床では揮発性麻酔薬にオピオイド鎮痛薬を併用すると、MACが著名に低下することが重要である。つまり、現在の麻酔管理は、全身麻酔の要素を複数の薬物や方法で担うバランス麻酔が基本である。

そのためバランス麻酔では、MACの意義は薄れ、覚醒レベル(MAC-awake)のほうが重要である。これは、麻酔からの覚醒に際し、50%のヒトが言葉による簡単な指示命令に応答できる時に肺胞内濃度のことで、およそ0.33MAC。十分な鎮静を行ったうえで、2倍の余裕をみて0.7MAC程度で使用する。これは、セボフルランでは1〜1.5%、デスフルランでは4%程度の濃度である。

※ちなみに、高体温、甲状腺機能亢進、アルコール常用車は、MACを上昇させる

2.血液/ガス分配係数
37℃1気圧において、血液1mlに溶ける麻酔ガスの量を意味する。
この数値が大きければ溶けやすく、小さければ溶けにくい。
臨床的には導入と覚醒の速さ、麻酔深度の調節性や安定性のよさの指標となる。
デスフルランやセボフルランは、血液/ガス分配係数が小さいため、導入・覚醒が速やかである。

C吸入麻酔薬による麻酔の導入
吸入麻酔薬が吸入されると、肺胞内の麻酔薬の分圧が上昇し、分圧勾配によって麻酔薬は肺胞から血液に溶ける。それがさらに中枢神経に取り込まれて全身麻酔作用が発揮される。
吸入直後の麻酔薬分圧は、肺胞>動脈血>中枢神経だが、これらの分圧が平衡に達した時が、麻酔導入の完了である。つまり、呼気終末の麻酔薬濃度を測定することで、脳内の麻酔薬分圧を測定することができる

揮発性麻酔薬と悪性高熱症
揮発性麻酔薬はハロゲン化吸入麻酔薬とも呼ばれ、素因をもった患者に投与すると、悪性高熱症のトリガーとなる可能性がある。
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D各種吸入麻酔薬
1.亜酸化窒素
特徴
無色で無味無臭のガスである。意識を消失させる作用は弱く、MACも105なので、単独で全身麻酔はできない。
通常は50〜66%の濃度で吸入される。

利点
高濃度の一次ガス(亜酸化窒素)と低濃度の二次ガス(揮発性麻酔薬)を同時に吸入したとき、亜酸化窒素のほうが先に移行するため、揮発性麻酔薬の肺胞分圧がその分急速に上昇し、導入が早くなる。そして、揮発性麻酔薬のMACを50%前後低下させることができる。

注意点
閉鎖腔に急速に拡散して容量の増大や内圧の上昇をきたす。そのため、気胸や腸閉塞、気脳症など体内に特殊な閉鎖腔がある患者では使用できない。中耳手術や硝子体手術も使用しない。気管チューブやラリンジアルマスクのカフにも移行するので注意が必要
覚醒時に悪心・嘔吐を認めることがある。
助燃性があるため、レーザー手術には使用しない。
副作用に増結機能障害があるので、ビタミンB12欠乏症の患者には注意して投与する。

2.セボフルラン
特徴
MACは1.71。小児のMACは2.5〜3.3%である。
気道刺激性が少ないことが最大の特徴で、吸入導入が可能である。気管支拡張作用や、単独でも筋弛緩作用がある。

利点
吸入導入後にそのまま揮発性麻酔薬で維持する方法をVIMAと呼ぶ。
小児では麻酔導入前の静脈路確保が困難であり、マスクによる吸入導入法が適している。セボフルランは、血液/ガス分配係数が低いため、導入が迅速であること、気道刺激性が低いため導入中の咳や息堪えの発生も少なく、最もマスク導入に適している。
近年は8%の気化器も普及しており、欧米では8%を用いた導入が行われている。

注意点
生体内代謝率は3〜5%であり、残りは呼気中に排泄される。
また、麻酔器のソーダライム(二酸化炭素吸収剤)と反応して産生されるコンパウンドAによる腎障害が指摘されているが、極端な低流量麻酔でなければ問題はない。

3.デスフルラン
特徴
沸点が非常に低く(22.8℃)、常温では沸騰してしまうため、特殊容器に保管されている。また、使用する際は加熱装置を有する特殊な気化器が必要である。
MACは6%前後であり、セボフルランの約3倍である。このため、全身麻酔において、新鮮ガス流量を多く設定すると、他の吸入麻酔薬と比較し薬液の減りが早く、燃費効率をあげるためには新鮮ガス流量を下げる必要がある
ごく弱いが筋弛緩作用も有する。

利点
最大の特徴は、血液/ガス分配係数が最も小さいことである。つまり、最も覚醒が早い
また、生体代謝率も0.02%と吸入麻酔薬のなかで最小であり、肝機能障害、腎機能障害患者においても他の吸入麻酔薬より使用しやすい
さらに、セボフルランと比較し、PONVにもなりにくいというのも大きな利点である。

注意点
気道刺激性と交感神経刺激作用がある。
気道刺激性は、小児や末梢静脈路確保困難患者には不適当である。息堪えや咳反射、喉頭痙攣、交感神経刺激作用を引き起こしやすい。
また、麻酔からの覚醒が早いため、覚醒時に十分な鎮痛対策をしておかないと疼痛が出現する。術式に応じてしっかりとした鎮痛対策を計画することが大切である。

E揮発性麻酔薬の臨床上の利点
強い気管支拡張作用があるため、気管支喘息を合併した患者の麻酔管理では静脈麻酔薬よりも好まれる
セボフルランは自発呼吸が残りやすく、挿管困難症例などに応用される

F各種吸入麻酔薬の投与量の目安
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※よく忘れがちな、余剰ガス排出装置の接続も忘れないように